高尿酸血症は血液中の尿酸値が高い状態で、痛風は尿酸塩結晶が関節などにたまり、強い炎症を起こす病気です。
「尿酸値が高いこと」と「いま痛風発作が起きていること」は同じではありません。急性の炎症を治療する時期と、将来の発作を防ぐため尿酸値を管理する時期を分けて考えることが大切です。
高尿酸血症と痛風の違い
一般に血清尿酸値が7.0mg/dLを超える状態を高尿酸血症といいます。
高尿酸血症があってもすぐに痛風発作が起こるとは限りません。一方、尿酸値が高い状態が続くと尿酸塩結晶がたまり、痛風発作につながることがあります。

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痛風発作の症状
- 突然、関節が強く痛む
- 赤く腫れる
- 触れるだけでも強く痛む
- 足の親指の付け根、足首、足背、膝などに起こることがある
症状の部位や出方は人によって異なります。

発作中の尿酸値
痛風発作中には、血清尿酸値が普段より低くなったり正常範囲に見えたりすることがあります。
そのため、「発作中の尿酸値が高くなかったから痛風ではない」と一回の値だけで判断することはできません。
痛風以外の急性関節炎
急に赤く腫れた関節のすべてが痛風とは限りません。感染性関節炎、偽痛風など、別の病気でも同様の症状が起こります。
発熱や強い全身症状を伴う場合などには、感染症を含め速やかな評価が必要になることがあります。
診断
症状、これまでの発作歴、関節所見、尿酸値、背景疾患、必要な検査を組み合わせて診断します。
関節液中の尿酸塩結晶を確認できれば診断上重要ですが、すべての患者さんで同じ検査を行うわけではなく、臨床的に診断する場合もあります。
痛風発作の治療
発作が起きている時期は、まず関節の炎症と痛みを抑える治療を行います。NSAIDs、低用量コルヒチン、ステロイド薬などが用いられますが、腎機能、他の病気、使用中の薬などによって適切な薬は異なります。
すでに尿酸降下薬を使用している方は、痛風発作が起きたからといって自己判断で中止・増減せず、主治医の指示を確認してください。
長期の尿酸管理
発作が落ち着いた後は、再発予防のために尿酸値を長期的に管理します。
痛風があり尿酸降下療法を行う場合には、一般に血清尿酸値6mg/dL以下を一つの目安として管理することがあります。ただし、無症候性高尿酸血症を含むすべての方に同じ目標や治療が必要という意味ではありません。
薬を始める判断
尿酸値が7.0mg/dLを超えたからといって、すべての方がすぐ薬を始めるわけではありません。
痛風発作の有無、尿酸値の程度、腎臓病、尿路結石、合併症、生活背景などを踏まえて、薬物療法が必要かを検討します。

治療薬は、腎機能や現在の薬も確認して選びます
痛風発作が起きているときに炎症や痛みを抑える薬と、尿酸値を下げて将来の発作を防ぐための薬では、役割が異なります。どちらの治療でも、腎機能、ほかの病気、現在使用している薬などを確認して、患者さんに合った薬を選びます。
すでに尿酸を下げる薬を使用している場合は、痛風発作が起きたことや、痛みがなくなったことだけを理由に、自己判断で中止・増減しないでください。
コルヒチンを使用する場合は、処方された量を超えて追加で服用しないでください。痛みが続いても、自己判断で繰り返し追加しないでください。強い下痢、嘔吐、腹痛、筋力低下などがある場合には、早めにご相談ください。
膠原病などでアザチオプリン(イムラン/アザニン)を使用している方では、併用できない尿酸降下薬があります。尿酸を下げる薬を開始・変更するときは、現在使用している薬を医師・薬剤師へ必ずお伝えください。
生活習慣
体重、飲酒、食事、脱水などは尿酸値や痛風発作に関係します。ただし、痛風を単純に「食べ過ぎ・飲み過ぎだけの病気」と考えるのは適切ではありません。
無理な禁止事項を並べるのではなく、患者さんの生活に合わせて続けられる改善を考えます。
当院での診療
当院では、健康診断などで高尿酸血症を指摘された方だけでなく、急に関節が赤く腫れて強く痛むなど、痛風発作が疑われる方についても診療しています。
尿酸値だけを見るのではなく、発作歴、腎機能、尿路結石、他の生活習慣病、使用中の薬などを確認しながら、急性期と長期管理を分けて考えます。
急な関節痛で受診する場合
ご注意
急に関節が赤く腫れ、強く痛む場合には痛風発作が考えられますが、感染性関節炎などを除外する必要がある場合があります。
高熱、強い悪寒、全身状態の悪化などがある場合は、速やかに医療機関で評価を受けてください。
関連情報
医学確認・参考文献
- 執筆・医学的確認
- 前島圭佑
- 最終医学確認日
このページの情報は一般的な説明であり、個々の患者さんの診断・治療を示すものではありません。
主な参考文献
- 日本痛風・尿酸核酸学会:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 2022年追補版
- 日本痛風財団:患者向け高尿酸血症・痛風情報
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