大分市で、リウマチ・膠原病を中心に、内科の慢性疾患を診療しています。

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MTXの位置づけ

メトトレキサート(MTX)は、関節リウマチなどの治療で重要な役割をもつ薬です。

関節リウマチの治療では、患者さんの病状や背景に応じて複数の従来型抗リウマチ薬から治療薬を選びます。MTXは重要な選択肢ですが、すべての患者さんが一律にMTXから治療を始めるという意味ではありません。

当院では内服MTXを基本に、必要に応じて皮下注MTXを選択します

当院では、まず内服MTXを使用することを基本としています。治療効果、副作用、服薬状況などをみながら、必要に応じて皮下注MTXへ変更・選択します。

MTXは週単位で使用する薬です

MTXは、一般的な毎日飲む薬とは異なり、週単位で決められた方法で使用する薬です。

当院では、内服MTXは原則として週1回、決められた曜日に1日で使用し、フォリアミンはその2日後に服用します。病状や処方内容によって使用方法が異なる場合がありますので、ご自身に指示された曜日を守ってください。

誤って毎日飲んだり、指示より多く使ったりしたとき

内服MTXは毎日飲む薬ではありません。誤って連日服用したり、指示された量を超えて服用したりすると、骨髄抑制(血液の細胞が減ること)や口・消化管の粘膜障害など、命に関わる重い副作用が起こるおそれがあります。皮下注MTXも、指示された回数・量を超えて使用しないでください。

誤ってMTXを毎日服用したり、指示された量を超えて使用したりした場合は、症状がなくても、速やかにかかりつけの医療機関へ電話でご相談ください。使用した日・量・回数を伝え、受診や検査が必要かどうかを確認してください。次のMTXを自己判断で追加使用せず、フォリアミンなども自己判断で増量しないでください。

これは通常の「飲み忘れ」とは異なる対応です。

葉酸製剤を併用します

フォリアミンは、MTXの副作用を減らすために使う葉酸製剤です。当院では通常、MTX使用の2日後にフォリアミンを使用します。

処方内容によって異なる場合がありますので、ご自身に指定された曜日を守ってください。

定期的な検査が大切です

MTXでは、血液や肝機能などの変化、感染症、肺症状、消化器症状などに注意しながら使用します。症状がなくても、定期的な検査を受けながら治療を続けます。

MTXは腎臓の働きが低下していると体内に残りやすくなり、副作用が強く出ることがあります。腎機能の確認も大切です。嘔吐や下痢、脱水があるときには早めにご相談ください。また、他院で処方された薬、抗菌薬や痛み止め、市販薬・サプリメントなどを新しく使用するときは、MTXを使用していることを医師や薬剤師に必ず伝えてください。薬の組み合わせによっては、副作用が強くなることがあります。

次の症状が出たときは、早めに受診してください

新たな空せき、せきが続く、息切れ、息苦しさ、発熱などは、間質性肺炎や感染症などのサインとなることがあります。また、強いだるさ、のどの痛み、鼻血・歯ぐきからの出血、あざができやすいといった症状は、骨髄抑制などに伴うことがあります。口内炎がひどい、口や唇がただれる、強い下痢や腹痛がある場合も注意が必要です。

これらの症状に気づいたら、次回のMTXは使用せず、すぐに医療機関へ連絡して受診してください。症状の原因を自己判断せず、次回の定期受診まで待たないでください。特に強い呼吸困難、意識がはっきりしない、出血が止まらないなど明らかに緊急性が高い場合は、当院への連絡を待たず119番へ連絡してください。

診療時間内は受診前に当院へ電話でご相談ください。診療時間外や休診日は、対応可能な医療機関への受診を優先してください。詳しくは「緊急時・診療時間外の受診先について」をご覧ください。

体調が悪いとき

ご注意

明らかな感染症、強い嘔吐や下痢、脱水などがある場合は、そのまま自己判断で使用を続けるのではなくご確認ください。状況によって一時的に休薬する場合があります。

MTXを使い忘れたとき

ご注意

予定していた日にMTXを使い忘れ、翌日に気づいた場合は、その日に使用してください。翌週からは元の曜日に戻します。内服MTXであれば翌日に内服し、皮下注MTXであれば翌日に注射します。当院の通常の方法では、この週のフォリアミンも、遅れて使用したMTXの2日後に服用します。個別に別の指示を受けている場合は、その指示に従ってください。

忘れた分をまとめて使用したり、2回分を一度に使用したりしないでください。

2日以上たってから気づいた場合や、どうすればよいか迷った場合は、自己判断せずご確認ください。

妊娠・出産・授乳

MTXを使用している女性が妊娠を希望する場合は、妊娠前に治療内容の変更が必要です。ご自身で中止するのではなく、病気を安定させながら妊娠中に使用できる薬へ変更する時期を相談します。

男性では女性と薬の扱いが異なる場合があるため、挙児を希望する場合も自己判断で中止せずご相談ください。

MTXは妊娠中や授乳中には使用できません。妊娠の可能性があるときや妊娠が分かったときは、次のMTX使用前に速やかに医師へご連絡ください。授乳を希望する場合も、事前に治療内容をご相談ください。

皮下注MTXと自己注射

皮下注MTXを自己注射で使用する場合は、「自己注射について」もご確認ください。製品固有の操作方法は、導入時の説明と現在のメーカー公式資材を使用します。

執筆:
前島圭佑
最終確認:

本ページは一般的な医学情報です。個別の診療については主治医にご相談ください。

薬の使い方は、ご自身に説明された内容と処方内容に従ってください。

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