不安になった時、心臓がドキドキする。
緊張すると、手に汗をかく。
怖いと感じた瞬間、体がこわばる。
こうした反応は、気持ちだけの問題ではありません。
脳が「危険かもしれない」と判断すると、自律神経やホルモンを通じて、体をすぐに動ける状態へ切り替えます。
院長(前島圭佑)は著書の中で、この仕組みを「脳内警備員」というイメージで説明しています。
脳には、危険を見張る「警備員」がいる
脳の扁桃体などは、危険や脅威にすばやく反応する仕組みに関わっています。
何か危険を感じると、
「注意!」
「すぐに備えよう」
と警報を鳴らす。
そんな「脳内警備員」をイメージしてみます。
警備員は悪者ではありません。
危険から身を守るために必要な存在です。
問題になるのは、強いストレスが続き、警備員がいつまでも緊張したままになってしまう時です。
警報が鳴ると、体も「戦闘モード」に変わる
脳内警備員が警報を鳴らすと、自律神経やストレスに関わるホルモンの仕組みを通じて、体にも変化が起こります。
- 心拍が速くなる
- 呼吸が変わる
- 筋肉が緊張する
- 胃腸の働きが変わる
などです。
短い時間であれば、危険に対応するための大切な反応です。
しかし、この状態が長く続くと、体はなかなか「休息モード」へ戻れなくなります。
ストレスが体調に影響するという時には、こうした脳と体のつながりも関係しています。
「感情の天秤」を思い浮かべる
もう一つのイメージが「感情の天秤」です。
天秤の片方には、
- 喜び
- 安心
- 楽しさ
- 心地よさ
などの「快」の重り。
もう片方には、
- 不安
- 怒り
- 悲しみ
- 緊張
などの「負」の重りが載っていると考えてみます。
私たちは毎日の出来事によって、この天秤を揺らしながら生活しています。
負の重りが載ること自体が悪いわけではありません。
しかし、負の重りばかりが増え、それを下ろす時間がない状態が長く続くと、脳内警備員も警戒を続けやすくなります。

図を選択すると拡大できます。
「負をゼロにする」のではなく、天秤を戻す
嫌なことをすべてなくすことはできません。
不安や怒りを感じない人になる必要もありません。
大切なのは、負の重りが増えた時に、
「自分の天秤は今、どちらに傾いているだろう」
と気づくことです。
そして、
- 好きなことをする
- 体を動かす
- 人と話す
- 休む
- 自然に触れる
など、自分にとって「快」の側へ重りを置ける時間を意識してみます。
院長は著書の中で、こうした自分なりの「ハッピーリスト」をあらかじめ持っておくことも勧めています。
体と心は、行ったり来たりしている
体調が悪いと不安になる。
不安が強くなると、体の警戒反応も強くなる。
このように、体と心は一方向ではなく、互いに影響し合っています。
だからといって、
「症状は気持ちの問題」
という意味ではありません。
体の病気は適切に評価し、必要な治療を受ける。
そのうえで、脳内警備員や感情の天秤というイメージを使って、自分のストレス反応にも目を向けてみる。
それが、このページで伝えたい考え方です。
関連する体内イメージ
- 機能性障害 「バグ」体の構造だけでは説明しきれない症状を、体の働き・調整という視点から考えます。
- なぜ体にいいことが続かないのか知識だけでは行動が続かないことがあります。体内イメージと環境の工夫から、次の選択を考えます。
- 一生を通じた健康「一病息災」という考え方から、必要な医療と日々の生活の両方を大切にしながら、自分の体と長く付き合うことを考えます。
体内イメージについて
このページで使っている比喩は、体の仕組みを理解しやすくするために院長(前島圭佑)が著書でも用いているイメージ表現です。実際の体の仕組みはより複雑で、診断名や治療法を示すものではありません。
医学確認・医療情報について
- 執筆・医学的確認
- 前島圭佑
- 最終医学確認日
このページは一般的な患者向け医学情報です。個別の症状、検査結果、治療の必要性は患者さんごとに異なります。治療中の薬を、体内イメージや生活習慣を理由に自己判断で中止・減量・変更しないでください。
- ← 体内イメージ一覧へ
- 著書については「著書・研究・活動」へ