乾癬性関節炎(PsA)は、乾癬に関連して関節や腱の付着部、指・趾、背骨や仙腸関節などに炎症が起こる病気です。
「関節だけの病気」ではなく、症状が出る場所や組み合わせには幅があります。乾癬がある方に新しい関節症状が出た場合には、皮膚や爪の状態も含めて評価します。
PsAとは
PsAでは、主に次のような領域に炎症がみられます。
- 関節炎:手足などの関節が腫れ、痛む
- 付着部炎:腱や靱帯が骨につく部分に痛みが出る
- 指趾炎:指や趾全体がソーセージのように腫れる
- 体軸病変:背骨や仙腸関節に炎症が起こり、腰や臀部の痛み・こわばりが出る
患者さんによって、どの症状が中心になるかは異なります。

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どこに症状が出るか
手指や足趾、膝などの関節だけでなく、かかとやアキレス腱周囲、足底、指・趾全体、腰やお尻などに症状が出ることがあります。
乾癬のある方に、腰やお尻の痛み、朝のこわばりなどが続く場合にもご相談ください。
皮膚・爪との関係
皮膚の乾癬が先に現れることが多い一方、関節症状と同時期に気づかれたり、関節症状が先に問題になることもあります。
爪の変化はPsAを考える手がかりになることがあります。皮膚症状が主症状・目立つ症状である場合は、まず皮膚科での評価が適切なこともあります。

診断
診断では、関節・付着部・指趾・背骨などの症状と診察所見、乾癬や爪病変の有無、血液検査、必要な画像検査、経過などを組み合わせます。

ポイント
PESTなどの質問票を用いる場合、それは乾癬のある方からPsAの可能性がある人を拾い上げて専門評価につなげるスクリーニングツールであり、診断そのものではありません。また、スコアが低いことだけで症状のある方の評価が不要になるわけではありません。
CASPARは分類基準であり、患者さんが自己診断するための点数表として扱いません。
治療
治療は、関節炎、付着部炎、指趾炎、体軸病変、皮膚・爪症状のどこが問題になっているか、病状の程度、患者さんの背景などを踏まえて選択します。
抗リウマチ薬、生物学的製剤、JAK阻害薬などを用いることがありますが、適する治療は病変の種類や併存症などによって異なります。個々の薬剤の使い方や安全情報は「治療薬について」で説明します。
- 生物学的製剤について詳しく見る治療での役割、投与方法、安全に治療を続けるための基本情報
- JAK阻害薬について詳しく見る治療での役割、安全に治療を続けるための基本情報
- 従来型の抗リウマチ薬・免疫調節薬について見る治療での役割や薬剤ごとの違い、安全に治療を続けるための基本情報
当院での診療・皮膚科連携
乾癬があり関節・腱・腰などの症状が出てきた方、PsAと診断され継続治療を希望する方を診療しています。
皮膚・爪症状の評価や治療では皮膚科との連携が重要です。症状の中心が皮疹である場合は、まず皮膚科で評価を受けることを基本とします。
このような症状に気づいたら
- 乾癬があり、新しく関節が腫れたり痛んだりする
- かかと、アキレス腱周囲、足底などが痛む
- 指や趾全体が腫れる
- 腰やお尻の痛み、朝のこわばりが続く
- 乾癬とともに爪の変化や関節症状が気になる
関連情報
- 治療について病状に応じた治療の考え方と、薬物療法・投与方法・他院連携についてご案内します。
- 治療薬について主な治療薬の役割や、安全に治療を続けるために知っておきたいことをご案内します。
- 自己注射について導入時に確認すること、安全に続けるための基本的な考え方
医学確認・参考文献
- 執筆・医学的確認
- 前島圭佑
- 最終医学確認日
このページの情報は一般的な説明であり、個々の患者さんの診断・治療を示すものではありません。
主な参考文献
- 日本皮膚科学会:乾癬性関節炎診療ガイドライン2019
- EULAR recommendations for the management of psoriatic arthritis with pharmacological therapies: 2023 update
- PEST原著・日本人乾癬患者での検証研究(スクリーニング用途)
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