検査結果の紙を受け取ると、基準の範囲から外れた印がいくつも並んでいて、不安になることがあります。反対に、「検査は落ち着いています」と言われても、体はつらいままということもあります。
このページでは、検査結果をどう受け止め、診察でどう聞けばよいかをまとめました。それぞれの検査が何を調べているかは、「検査について」をご覧ください。
1. 検査には、二つの役割があります
リウマチ・膠原病の診療で行う検査には、大きく二つの役割があります。
- 病気の勢いを知る:炎症の強さや、臓器に病気の影響が出ていないかを確かめます。
- 薬を安全に続けられているかを確かめる:血液の細胞の数や、肝臓・腎臓の働きなどに、薬の影響が出ていないかを確かめます。
体調が良く、病気が落ち着いているときでも検査を続けるのは、二つ目の役割があるためです。薬の副作用の中には、症状が出る前に、検査で先に分かるものがあります。
2. 検査の数字と、体のつらさは一致しないことがあります
数字は主に病気の炎症(消えずに続く火事)の勢いを映します。体のつらさは炎症だけで決まらないため、同じ動きをしないことがあります。どちらも大切な情報です。
数字は落ち着いているのに、つらいとき
炎症が治まっても、痛みやだるさが残ることがあります。炎症で傷んだ関節や組織、痛みの感じ方そのものの変化、睡眠の不足、ほかの病気など、炎症とは別の理由が重なっていることがあるためです。
「検査は良いのに、つらいと言ってよいのだろうか」と遠慮する必要はありません。つらさがどこから来ているかを考えるために、感じているとおりに教えてください。
体はつらくないのに、数字に異常があるとき
臓器の変化や薬の副作用は、症状が出る前に検査で見つかることがあります。体調が良くても、検査で治療の調整をお願いすることがあるのはこのためです。
どちらの場合も、数字と体調のどちらか一方だけで判断せず、合わせて考えます。
3. 1回の結果より、前回からの変化を見ます
検査結果の意味は、1回分の数字だけでは分からないことがよくあります。
- 基準の範囲から外れた=治療が必要、ではありません。 病気や薬の影響ではない、体質的な値や一時的な変動のこともあります。医師が「問題ありません」と説明した項目は、あまり心配しすぎないでください。
- 基準の範囲の中でも、変化に意味があることがあります。 範囲内でも、以前より大きく変わった、少しずつ同じ方向に動き続けている、という場合は、注意して見ていきます。
- すぐに結論が出ないこともあります。 次の検査で、上がり続けるのか、元に戻るのかを見て、はじめて意味が分かる場合があります。
そのため当院では、今回の数字だけでなく、これまでの結果の流れと、その間の治療や体調を合わせて見ています。
4. ご自身で結果を見るなら「前回と比べる」
検査結果の細かな読み取りは、医師に任せていただいてかまいません。ご自身でも確かめたい方には、前回、前々回の結果と並べて比べる方法をおすすめします。専門的な知識がなくてもできます。
- 結果の紙は捨てずに、日付の順に綴じておきましょう。
- 「急に大きく変わった」「少しずつ同じ方向に動き続けている」項目があれば、次の診察でたずねてください。
- 体温や血圧と同じように、検査の数字も測るたびに多少は揺れます。小さな上下で一喜一憂する必要はありません。
医師も結果を確認していますが、見落としが起こりえないわけではありません。気になった項目を診察でたずねていただくことは、確認を重ねる意味でも助かります。
5. 結果の説明は、お話と診察のあとで
診察では、多くの場合、最初に前回からの体調をうかがい、診察をしてから、検査結果を説明します。
結果を早く知りたいお気持ちはよく分かります。それでも先に体調を聞くのは、同じ数字でも、体の状態によって意味が変わるからです。たとえば、炎症の数字が上がっていても、関節が腫れていれば病気の勢いを、関節に変化がなく咳や熱があれば感染症を、というように、考える方向が変わります。
6. 結果の聞き方
時間の限られた診察で、次のような聞き方をすると、要点がつかみやすくなります。
- 「前回と比べて、良くなっていますか、悪くなっていますか」
- 「今回の結果で、治療は変わりますか」
- 「注意して見ている項目はどれですか。次はいつ調べますか」
- 「私の病気の勢いの目安になる検査(または症状)はどれですか」
最後の質問は、一度聞いておくと役に立ちます。病気の勢いの目安になる検査や症状は、病気によっても、同じ病気でも人によっても違います。ご自身の目安を知っておくと、しばらく調べていない検査に気づいたり、目安の症状が出たときに早めに相談したりできます。
検査をしたのに結果の説明がなかったときは、遠慮なくおたずねください。
ほかの医療機関や健康診断で受けた検査結果も、診察のときにお持ちください。当院の結果と並べて見ることで、分かることがあります。
7. 結果のお知らせについて
- 血液検査のうち、血算とCRPは院内で測定するため、当日に分かることがあります。それ以外の多くの項目は、外部の検査機関に依頼するため、結果は後日になります。
- 急いで対応が必要な結果のときだけお電話します。それ以外は次回の診察でご説明します。
- ご希望の方には、検査結果を時系列(これまでの結果を並べた形)で印刷してお渡ししています。診察のときにお申し出ください。
関連ページ
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- 執筆:
- 前島圭佑
- 最終確認:
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